プロテインは「筋トレやダイエット効果を高めるために欠かせない栄養補助食品」として多くの人が活用している一方、「プロテインはおすすめできない」と主張する人がいます。
経験豊かな、現役の医師や栄養士が「おすすめできない」と言うこともあって説得力があるように思えます。
プロテインは体に「良い」のか「悪い」のか?なぜこのような主張の食い違いがあるのか。
そのような、「プロテインはおすすめしない」「副作用がある」「体に悪い」という噂の真相と対処法について解説します。
プロテインをおすすめしない理由
プロテイン(タンパク質)の「摂りすぎ」「過剰摂取によって生じる危険」といわれる悪影響についてを見ていきましょう。
肝臓や腎臓への負担
タンパク質を過剰に摂取すると、アンモニアの発生、尿素窒素の発生が増えることで、肝臓や腎臓にかかる負担が普段よりも大きくなることが悪影響につながるといいます。
タンパク質を摂取した後、肝臓で分解される過程で「アンモニア」が発生します。アンモニアは人体にとって有害な物質であるため、肝臓で「尿素窒素」に合成された後に、腎臓で濾過されて尿とともに排泄されます。
カロリーオーバ-
筋トレやダイエットで効果を出したいあまり、特に肉類や卵などのタンパク質が多く含まれた食品を多く食べ過ぎてしまうと、結果としてカロリーオーバーになります。
プロテインを飲む際、牛乳と混ぜて飲む場合は「牛乳のカロリー」に注意が必要です。プロテイン自体が低カロリーでも、200mlの牛乳で140kcalほどになりますので、飲む回数が増えればカロリーオーバーになる可能性があります。
尿路結石のリスク
尿路結石の原因の1つに、肉類に多く含まれる「動物性タンパク質の摂りすぎ」があります。
尿路結石とは、腎臓から尿道までの尿路に石のような固まり(結石)ができ、人によっては起き上がれないほど激しい痛みが生ずる疾患のことです。
腸内環境の悪化
動物性タンパク質を摂り過ぎると、吸収されなかったタンパク質が腸内で「悪玉菌」のエサになり、腸内環境が悪化するといわれます。
悪玉菌が増えると腸の働きが弱まり、食中毒などの病原菌による感染の危険や、発がん性を持つ腐敗産物が増加します。腐敗産物が増えると口臭や体臭、おならが臭くなる原因になると考えられています。
その他の副作用
便秘
腸内の善玉菌の働きを良くする「食物繊維」や、腸を刺激する「良質な脂肪」の摂取が少ないと、便秘になりやすいといいます。
また、急激にタンパク質の摂取量を増やすと、便秘になりやすいため、量を増やすときは徐々に増やしていくのが良いとされています。
人工甘味料の危険
プロテインに含まれる人工甘味料が危険の原因になるといわれています。
人工甘味料は甘みがあるのに、低カロリー、ゼロカロリーなので、多くのカロリーゼロ飲料やダイエット食品の添加物として使用されています。
過剰に摂取すると副作用が心配されていますが、プロテインに限らず様々な食品にも含まれているので、特に気にならなければ問題ないでしょう。
プロテインを飲んではいけない人
そもそも、以下のような人はプロテインを飲むべきではありません。
- 肝臓や腎臓に疾患がある人
- プロテインを飲み始めてから体調が悪化した人
- 食事でタンパク質を十分に摂取できる人
特に肝臓や腎臓の疾患は遺伝するものもあり、自覚症状もなく突然死する可能性もあります。
プロテインを飲み始めてから、体がだるい、吐き気がするなどの体調悪化が続くようであれば、早めに医師に相談することをおすすめします。
副作用の危険性をどう考えるか?
以上のように、プロテインの副作用で様々なリスクが生じる可能性はありますが、だからといって絶対に飲まない方がよいのでしょうか?
プロテインを飲むことで得られるメリットと、過剰摂取のデメリットの両方を見て、判断するのが良いと思います。
例えば、「筋トレやダイエットで最大の効果を得る」というメリットを得ることを優先しながら、『過剰に摂取』しないように注意し、デメリットを最小減にするように心がけます。
様々なプロテインの副作用の危険は全て『過剰に摂取』とあります。※飲んではいけない人を除きます。
どれだけ飲めば『過剰摂取』になるのでしょうか?何をもって『過剰』といえるのでしょうか?
- 一般的なタンパク質の必要量以上を飲めば過剰?
- 体重1kgあたり2g以上飲めば過剰?
- 激しい運動をする人と運動しない人の違いは?
- 体が大きい人と小さい人の違いは?
- 消化機能が高い人と低い人の違いは?
要するに『過剰摂取』は個人差があるので、やってみなければわかりません。
つまり、『過剰摂取』がダメであって、『適量』はとるべきで、「リスクが高まる可能性と、目指す効果のバランスをとる」という考え方です。
目標を達成するために、「過剰摂取に気をつけながら、自分にとっての適量を見つける」スタンスで、プロテインは飲んでも良いのではないでしょうか。