「プロテイン」と言えば、日本ではタンパク質が主成分のサプリメントを指すことが多いですが、本来プロテインは英語で「Protein」と書き、日本語では「タンパク質」のことを指します。
本記事は「プロテインをおすすめする理由」ということで、プロテインの重要性や必要量、日本人のプロテイン不足の現状と悪影響について解説していきます!
※本記事では『プロテイン=タンパク質』の意味で使います。サプリメントについては、プロテインサプリと表記します。
プロテインをおすすめする理由
あなたは毎日プロテイン(タンパク質)を必要量摂取しているでしょうか?
アスリートやボディビルダーのようにプロテイン(タンパク質)は「筋肉を増やしたい人に必要」というイメージがあるかもしれませんが、おすすめすべき人はそれだけではありません。
例えば、
- ぽっこりお腹やメタボ改善のための「効率のいいダイエット」がしたい40代以上の女性、男性の方
- 食生活を見直して、体力低下や筋力不足を解消する「健康づくり」がしたい60代以上の方
- 激しいスポーツや運動をする、育ち盛りの子供の「体づくりや成長に必要な栄養確保」をさせたい保護者の方
- やる気、集中力、思考力を高めるなど「脳の機能を活性化」したい方
- お肌や髪の老化を予防し「より美しくありたい」女性の方
- ウイルスや病気に負けない「免疫機能を高め」体調不良を減らしたい方
など、プロテイン(タンパク質)は健康維持・増進に必要なだけではなく、筋肉や臓器、肌、髪、爪、体内のホルモンや酵素、免疫物質などを作る原材料として極めて重要な栄養素なのです。
プロテインの必要摂取量は?
日本人の目標摂取量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の最新の報告で「タンパク質は他の栄養素から体内で合成できず、必ず摂取しなければならない」とされ、以下の目標摂取量が示されています。
タンパク質の目標摂取量(1日あたり、単位:g)
年齢 | 男性 | 女性 |
1~2 | 31~48 | 29~45 |
3~5 | 42~65 | 39~60 |
6~7 | 49~75 | 46~70 |
8~9 | 60~93 | 55~85 |
10~11 | 72~110 | 68~105 |
12~14 | 85~130 | 78~120 |
15~17 | 91~140 | 75~115 |
18~64 | 86~135 | 65~103 |
65以上 | 79~120 | 62~98 |
運動する人の必要摂取量
以上は一般の人向けの目標でしたが、筋トレやダイエット効果を高めたり、スポーツ競技やボディメイクで成果を期待する目的がある場合、上記のタンパク質の目標摂取量では足りません。
ハードな運動などの身体的なストレスや精神的なストレスがある時、身体はストレスに対抗するためのエネルギーを作ろうとして体内のタンパク質を分解してしまいます。
つまり、運動の強度が高くなるほどタンパク質の必要量が増えるため、タンパク質が不足しやすくなります。
運動効果を高めたい人の場合は、一般の人の2倍以上のタンパク質が必要とされています。個人差はありますが、1日のタンパク質は、体重1kgあたり2g摂取を目標にすることをおすすめします。
運動する人のタンパク質必要量(1日あたり2g)
体重(kg) | 必要量(g) |
40 | 80 |
45 | 90 |
50 | 100 |
55 | 110 |
60 | 120 |
65 | 130 |
70 | 140 |
75 | 150 |
80 | 160 |
85 | 170 |
90 | 180 |
95 | 190 |
100 | 200 |
日本人はプロテイン不足?
現代の日本人はタンパク質が不足しています。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、1996年の81.5gをピークに下がり続け、現在は戦後間もない1950年代と同じ水準まで低下している状態です。
私たちの身の回りには食べ物があふれ、飢餓や栄養失調とは無縁の生活なのに、なぜタンパク質が不足しているのでしょうか?
その理由は「糖質」過剰の食生活をしている人が多いからです。
三大栄養素と言われる「タンパク質」「糖質」「脂質」の中で、特に「糖質」が一番安くて、美味しくて、種類が豊富でコンビニやスーパーでいつでも手軽に買えるようになったことが原因の一つです。
また、ダイエットや筋トレブームによってスリムで引き締まった体型が良いとされ、食事制限する人が増加したことも原因といわれています。
では、タンパク質が不足するとどうなるのでしょうか?
プロテイン不足の悪影響とは?
人の体は水分を除く70%がプロテイン(タンパク質)で作られているので、不足による体への悪影響は避けられません。
太りやすい体質になる
ダイエットでよくあるリバウンド。
最近、ダイエットしてないのに、「リバウンドしたように太る体質になる人」が増えています。
なぜ、リバウンドしてしまうのか?
リバウンドはダイエットや減量するため、食事の量を減らして痩せたとしても、食事を元に戻したらダイエット前より体重が増えてしまうこと。
リバウンドの原因は、筋肉の元となるタンパク質の不足によって筋肉が分解・減少してしまい、エネルギーが消費しにくい太りやすい体質に変わってしまうためです。
つまり、太りやすい体質になる主な原因はタンパク質の不足なのです。タンパク質を必要量、確保することが大切です。
肌や髪のトラブル
人の体は代謝によって古い細胞が新しい細胞に入れ替わります。古い皮膚はどんどん剥がれ落ちて、新しい皮膚にターンオーバーしていきます。髪や爪も同じように、新しい細胞がつくられて伸びていきます。
これらの新しい皮膚・髪・爪はタンパク質から作られます。
タンパク質は筋肉を作るというイメージがありますが、皮膚のハリツヤや弾力に関係するコラーゲンやエラスチン、髪の主成分であるケラチンもタンパク質で構成されています。
- 肌が乾燥してカサつく
- 肌が荒れやすい
- 肌の弾力低下、たるみ
- 髪のツヤがなくなる
- 髪が細くなる
- 髪が切れやすくなる
このような肌や髪のトラブルの症状がでてしまうのは、タンパク質の不足が原因かもしれません。
やる気、集中力、思考力の低下
タンパク質の不足は、脳の機能にも影響します。
やる気を出すドーパミン、気持ちをリラックスするセロトニンといわれる「脳の神経伝達物質」は、タンパク質が分解したアミノ酸からできています。
やる気が出ない、頭がぼーっとして集中できない、考えることができないなど、タンパク質が不足すると脳内の神経伝達物質が作られなくなってしまい、脳の働きが低下してしまいます。
子供の発育・発達不良
子どもは体が小さいので、大人の半分ぐらいの食事で大丈夫と思っていませんか?
実は体重1Kgあたりで見ると、子供の消費エネルギーは大人の約2倍、タンパク質は大人の1.5倍の摂取が必要といわれています。
子供は消費エネルギーが多いぶんカロリー摂取も多くする必要がありますが、大人のように一度に多くの量を食べても消化することができないため、おやつなどの間食を摂るようにします。
また、カロリー摂取をしていても、食べムラや偏食が多い子供の場合、普段の食生活ではどうしてもタンパクが不足してしまいます。
特にタンパク不足は、骨格の脆弱化、筋力の低下、皮膚や髪の劣化、認知思考力の低下、情緒や精神の不安定化、免疫力の低下など、子供の発育・発達不良やあらゆる不調のリスクになってしまいます。
幼稚園や小学校の給食は栄養が管理されていても、それ以外の朝晩の食事や間食のおやつについては、ご家庭で栄養バランスを考える必要があります。
どうしても、値段が安くて美味しいパンや麺類、甘いお菓子などの「糖質」に偏ってしまいがちなので、「タンパク質」の多い食品を意識して食べるようにしましょう。
まとめ
今回は「プロテインをおすすめする理由」ということで、プロテインの重要性や必要量、日本人のプロテイン不足の現状と悪影響について解説しました。
食生活を少し意識してみると、「糖質」が多過ぎて「タンパク質」が不足していることに気がつくと思います。
今、話題の糖質制限ダイエットを成功させるコツは糖質を減らして、タンパク質を増やすことと言われています。
人体の70%はタンパク質で出来ていることを考えると、あたりまえの事なのですが、食生活を改善しようと思ったら、まずタンパク質の必要量をしっかり確保することをおすすめします!